最近は携帯音楽プレイヤーも大容量化が進んでいて、驚くほどたくさんの曲を持ち歩くことができるようになりました。でも、iPhoneやスマートフォンの最大容量をみると32~64GBくらいで、何千曲のオーダーでライブラリを持っている人は、すぐに容量がいっぱいになってしまうと思います。
音楽ファイルサイズを小さくすればするほど、たくさんの音楽を持ち歩けるようになります。そのためには音楽ファイルをエンコードする際のビットレートを下げなくてはなりません。しかし、ビットレートを下げれば下げるほど、音質もどんどん下がっていきます。そこで、ファイルサイズをできるだけ小さくしつつ、音質もそれなりに保つようなビットレート設定を探ることになります。色々と試した結果、僕は
LAME MP3 V 5
というエンコード設定がベストだと思いました。LAMEとはMP3エンコーダの名前で、"V 5"というのは可変ビットレート、音質レベル5という意味です。
■なぜMP3か?
AACのほうが、より低いビットレートでも音質を良好に保つことができます(圧縮効率がよい)。AACのほうが一見よさそうです。僕も最近まではAACを使っていました。しかし、スマートフォン、iPodなどさまざまな機器を使ううち、どんなプレイヤーでも対応している形式はMP3でした。その汎用性と利用者の多さからMP3は音楽ファイル形式の事実上の標準規格(デファクトスタンダード)と呼ばれています。
■なぜ可変ビットレートか?
MP3のエンコードといえば、固定ビットレートが主流でした。固定ビットレートとは単位時間当たりのビットレートを一定にしてエンコードすることを言います(128kbpsなど)。ファイルサイズは曲の長さで決まります。エンコード後のファイルサイズが予測できるため、例えば、4分間の曲が16GBに何曲入るかが予測できます。逆に1万曲を入れたいからビットレートをいくらにするという計算も楽にできます。
容量が限られた携帯音楽プレイヤー向きのエンコード方法に見えますが(実際そうですが)、固定ビットレートは曲によって、または曲の部分によって音質が変わってしまうのです。情報量(ビット)がたくさん必要な曲・部分でも一定のビットレートしか割り振らないので、そこだけ音質が悪くなります。ビットレートは固定ですが、音質は可変なのです。
逆に可変ビットレートは音質を一定のレベルにするために必要なビットレートを自動で計算して割り振ります。情報量のたくさん必要な部分には多くのビットを、そうでない部分は少なく割り振ります。そのためエンコード後のファイルサイズは予測できませんが、音質レベルごとに「固定ビットレートでいえば大体これくらいのビットレートになるよ」という目安はあります。音質は固定で、ビットレートは可変になります。
■なぜLAME V 5なのか?
LAMEというエンコーダは数々のリスニングテストで優秀な音質のMP3を作成できるという実績を残してきました。MP3エンコードするならLAMEが定番ですし、無料で使えます。LAMEの可変ビットレートの音質レベルは0~9までの10通りあります。デフォルトは2ですが、これは固定ビットレートで言えば200kbps程度の音質です。非常に高音質で普段はこれをつかっておけば間違いないです。しかし、今回はよりファイルサイズを小さくするため、あえて中程度以下の音質レベルを試して見ました。Fatboy SlimのKaliforniaという曲を音質レベル5~9まで聞き比べました。ちなみにこの曲は圧縮しづらい曲として知られています。
Fatboy Slim - Kalifornia.wav(16bit/Stereo/44.1khz) : Size 59.4MB
V 5 : Size 6.53MB 約11%に圧縮 元音源とほとんど聞き分けできない。
V 6 : Size 5.94MB 約10% 〃 〃(48khz音源は44.1khzに自動リサンプリング、劣化感知)
V 7 : Size 5.17MB 約 9% 〃 〃(44.1khz->32khzに自動リサンプリング)
V 8 : Size 4.71MB 約 8% 〃 ノイズあり(〃)
V 9 : Size 3.47MB 約 6% 〃 〃(44.1khz->22.05khzに自動リサンプリング) Not MP3
圧縮率・音質・リサンプリング有無を総合して、V 5が最も優れていると判断しました。当然といえば当然の結果ですね。ちなみにリスニング環境は、静かな部屋で、
再生ソフト: foobar2000(DirectShow出力)
サウンドカード: SE90PCIアナログ出力->
ミニコンポ: XR-RS77P->
ヘッドフォン: AUDIO-TECHNICA ATH-A900
でかなりの音量で聞いて聞き分けできないレベルです。
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